さて、今日の学校公開では、併せて、道徳授業地区公開講座を2.3時間目に実施しました。
2時間目には、全学級の道徳の授業を公開しました。今年は、他者との関わりについてをテーマに各学年・学級で授業を構想しました。
3時間目には講師をお招きしての講演会と参加者での意見交換会を行いました。講師には、本校のコミュニティスクール協議会委員でもあり、東京学芸大学 教授(兼 学長補佐)の 松田恵示 先生をお招きし、「他者体験がなくなる子どもたちの現在(いま)」というテーマで実に興味深いお話をいただきました。
これからの人との関わりを
●他人・・・「知らない」から「関わらない」という人間関係
●他己・・・「知っている」から「関わる」という人間関係
という2極だけで捉えるのではなく、
●他者・・・「知らない」けれども「関わる」という人間関係
の視点をもって考えていくことが大事であるとのことでした。
「知らない」けれども「関わる」というのは、例えば、コンビニで、従業員とお客の関係で、相手のことを知らないけれども言葉を交わして関わることが挙げられます。この時、従業員が笑顔で「こんちには」と言えれば、お客だって気持ち良いし、もしかすると「ありがとう」という言葉が生まれるかもしれません。
実は世の中には、「知らない」けれども「関わる」という人間関係がとても多いことに気が付きます。
学校のクラスでも、「仲が良い」から「うんと関わる」という親友のような関係が見られます。しかし、実際には「仲はそれほどよくない」けれど「関わらなければならない」という友達の方が圧倒的に多いのではないでしょうか。
そんなことを考えると、学級の中でも、学年の中でも、学校の中でも、「知らない」けれども「関わる」ということを意識して子供の人間関係づくりをしていく必要があるのではないかと強く感じました。
松田先生は、かつては、地域の人が声を掛けてくれるなど、地域の中にたくさんの「他者」の関係があったと言います。確かにそうかもしれません。そういう意味で、今回の講演のテーマである「他者体験がなくなる子どもたち」は増えているのかもしれません。
学校でどんな他者体験ができるのか、させていけばよいのか、これから考える機会をいただいたとても良い時間となりました。
松田先生の話に皆引き込まれました。 |