2020年11月2日月曜日

4年生 「いとおかし」

 4年生 地域参画型授業「文香」に挑戦!

10月26日(月曜日)

 4年生は、今総合的な学習の時間を使って「日本の伝統文化について学ぼう」ということで「百人一首」に取り組んでいます。コロナ禍ということもあり、いつもですと二人以上のグループで対戦する百人一首ですが、今年は個人戦に挑戦しています。「ちはやぶる」の漫画の影響もあり、子供たちがの中には、何の抵抗もなく、百人一首を楽しむ雰囲気が出来あがりました。ご家庭でも随分ご協力をいただき,百首全部覚えてしまったという子もいるとのこと。おそるべし、4年生の集中力です。「いとおかし」

 小倉百人一首を編纂したのは藤原定家とされていますが、集められている歌は平安時代(4世紀ごろ)から、順徳院(13世紀ごろ)鎌倉時代までと長きにわたっています。
 4年生はこの百人一首のかるた会に挑戦しているところです。そして大好きな歌を選んで、その歌に合った香りを作る学習「文香」(ふみこう)に取り組みました。「文香」という日本古来からの伝統文化を、今を生きる4年生がどう受け止めるのか、興味津々な授業展開となりました。「いとおかし」

 東京都にはたくさんの学校がありますが、15種類ほどのお香を教材として購入し、理科室の冷蔵庫に毎年分類して保存している学校はまず本校以外にはないと思われます。

 本校では幸いに、地域にお住まいの国文学を専攻されている大学の先生を講師にお迎えしています。この講師の先生の全面的なご協力よって学習が成り立っています。お香をグループ別ごとに準備し、お香を包む紙や、しおりに着ける水引の準備まで、微に入り細にわたってこの日の授業に備えていただきました。感謝申し上げます。

 まず平安時代というと、きれいに着飾ったお雛様のイメージの時代ですが、なぜこんなにお香の文化がいきわたったかについて講師の先生からお話がありました。お風呂もない、トイレも完備していない時代には町中、部屋中に悪臭が漂っていたことが予想されます。その匂いを消すためにお香の文化が出来上がったそうです。子供たちはその情景を子供なりに想像し、なるほどと納得していました。

 自分の選んだ歌が春の歌ならば、少しさわやかで甘い香りを、冬の歌ならばぴりりと辛い香りを、恋の歌ならば甘酸っぱい香りを??・・・・子供たちは自分なりの根拠をもって香りを選び調合します。世界でたった一つのオンリーワン オリジナルブレンドフレグランスの出来上がりです。
 調合し終わったら、紙に包んで自分で筆ペンで歌をしたためた封筒に、その香りを収め、ひもをつければ出来上がり。この作品は、子供たちにとってとても大切な人に、この後プレゼントすることになっているそうです。「いとおかし」

授業後の子供たちの感想です。
〇僕が選んだ歌は「秋風に たなびく雲の 絶え間より もれいずる月と 影のさやけき」です。この歌は雲の切れ間から、月の光が出て、きれいという意味で、イメージすると気持ちよくなります。匂いはリュウノウを入れて、少しさわやかさを出してみました。

〇 私が選んだ歌は「天の原 振りさけみれば 春日なる 三笠の山に い出し月かも」です。遣唐使として中国に行き、30年間帰ってこれない悲しさを月にあらわしています。「月は日本で見ていたものと同じなんだ」と慰めている歌なので、月(自然)と、ふるさと(甘さ)をイメージして匂いをつくりました。